大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2762 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人五十嵐太仲、同天野正義の上告趣意第一点は、原審が弁護人の書証及び証

人の証拠調請求を却下したことは、憲法三七条二項に違反すると主張するのである

が、裁判所は合理性に反しない限り、自由裁量の範囲で証人申請の取捨撰択をする

ことができるのであり、同条の規定は、裁判所がその必要をみとめて審問を許可し

た証人に関するものであることについては、論旨摘録の当裁判所大法廷判決の判示

したとおりであつて、所論の証拠調は、控訴裁判所たる原審がこれを取り調べなけ

ればならないものとは認められないのであるから、これを却下したからといつて、

憲法三七条二項に違反するものでないこと、前示大法廷判決の趣旨に徴し明らかで

あるとともに、本件証拠申請の却下は、右判例にいう合理性に反するものとも認め

られない。その他の論旨及び弁護人折居辰治郎の上告趣意第一、二点は、いずれも

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても、同四一一条に定める事

由を認めることもできない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三一年一二月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!